「【決断レジェンドの引き際】西武・西口「ガッツポーズした記憶一度もない」」
(スポーツ報知 12月16日(水))

 今季限りで引退したレジェンドのインタビュー「決断」、第2回は西武・西口文也投手(43)。西武一筋21年で182勝。ノーヒットノーラン寸前で3度逃すなど記憶にも残った右腕がマイペースだった現役生活、そしてこれからを語った。

 涙はなかった。最後まで西口らしかった。9月28日、本拠地で行われた引退セレモニー。「ノーヒットノーラン未遂2度、完全試合未遂1度。皆さまの期待を裏切ることもたくさんありました」と自虐的な名スピーチ。3度のチャンス【注=後述】がありながら偉業を逃した不運な男のイメージが強い。

 「最初の2試合は点差もあった。ホームランさえ打たれなければという思いだった。3度目は0―0。最後に1点取られたら9回まで頑張ってきたのが台なしになるし負け投手になる。あの10回は死に物狂いだった。1度くらいは達成したかったという気持ちにはなるけど、そこまで強い感情でもない」

 今季は開幕2軍スタート。先発登板は4回4失点で負け投手になった5月28日の巨人戦(東京D)のみだった。一方で2軍では17試合4勝(1敗)1セーブ。防御率2・95と結果を残していた。「まだできる」との声も多い中、200勝まで残り18勝でユニホームを脱いだ。

 「決めたのは9月の頭、球団との話し合いの場で。やれるんだったら、やりたいという気持ちもあったけど、この年齢(43歳)になって、ここ何年も勝っていないという現実を考えれば仕方がない、身を引くというかね。まだまだできるという思いはあったけど、決めた後はもう全然すっきりという感じ」

 伝家の宝刀・キレ味鋭いスライダーを武器に2年目の96年から7年連続2ケタ勝利をマーク。FA移籍、そしてメジャー挑戦など選択肢はあったが、契約更改では基本一発サイン。文句を言わずライオンズ一筋を貫いた。

 「どこかに行って野球をやりたいという思いはなかった。やりやすい環境の中にいたことが一番。周りとの関係もよかった。一番最初のFAの時(04年)に出て行く気がないと判断した時からずっとそうだった。保留? ないんじゃないかな(実際は00年に1度)。あまりごねるのもね…。今となってはもっとごねとけばよかった(笑い)」

 マウンド上ではいつでも涼しい顔。「飄々(ひょうひょう)」という言葉は西口の枕ことばになっていた。

 「それは性格ですよ。昔からあんまり派手なことはしたことがない。プロでガッツポーズした記憶は一度もないね。あったらプレミアものですよ(笑い)」

 喜怒哀楽が表れない男だけに練習内容、プライベートなどは謎に包まれていた。練習嫌いという、うわさもついてまわった。

 「与えられたメニューはしっかりこなす。だらだらしたくない。早くやって早く終わって休みたいという感じ。限界までを超えちゃうと疲れちゃって投げられなくなっちゃう」

 全くやらなかったウェートトレはベテランになってから取り組み、39歳シーズンの11年には6年ぶりの2ケタ勝利となる11勝をマークした。

 「34、35歳になって皆に勧められたんで。周りのウェートを見ていても気持ちの面で『これ、俺続かないな』というのがあった。自分のできる、続けられる範囲を取り入れた。それがよかったのか、悪かったのかは分からないけどね」

 来年1月から球団本部編成部としてフロント入り。最近では電車で移動する姿も目撃され、握手を求められることもある。

 「都内は電車に乗るよ。Suica(スイカ)も持ってるしね。時間が読めるし楽だし。現役の時も羽田空港に行くときは電車。安いしね。パソコンだって、高校の時は商業だったからブラインドタッチはできた。今は忘れたけど(笑い)」

 今後は台湾などに指導者留学するプランも。すべて「西口2世」育成のためだ。

 「一からのスタート。学ばないといけないことも多いしありがたい。自分でも教えるイメージが湧かない。今は自分の形しか分からないけど、これからいろいろな選手と接していければ発見もあるだろうし。ゆくゆくはいい投手を育ててみたい。監督になるとかは考えたこともないね」

 【注】〈1〉02年8月26日のロッテ戦(西武D)9回2死まで1四球も、小坂に中前安打された。2安打1四球6―0で完封勝利。

 〈2〉05年5月13日の巨人戦(インボイス)1死球に抑えていた9回2死、清水に本塁打を許した。1安打1死球6―1で完投勝利。

 〈3〉05年8月27日の楽天戦(インボイス)9回終了まで完全も両チーム無得点で延長戦に突入。10回表、沖原に安打されて偉業ならず。延長戦で完全試合を逃したのは史上初。この回裏のサヨナラ勝利で10回1安打1四球で完封勝利。

 ◆西口 文也(にしぐち・ふみや)1972年9月26日、和歌山県生まれ。43歳。県和歌山商から立正大を経て94年ドラフト3位で西武入団。3年目の97年に15勝を挙げ、最多勝で沢村賞を獲得。最多勝2回、最多奪三振2回、最高勝率1回。通算成績は436試合、182勝118敗、6セーブ、防御率3・73。182センチ、75キロ。右投右打。

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西口さんの「記事」!
ほんとに、ほんとに、何回読んでも、素晴らしいです\(^o^)/

しかも・・・
「文句を言わずライオンズ一筋を貫いた。」
って!

「ライオンズ一筋」ですヨ!

やっぱり、ライオンズの選手なら!
こうでなくっちゃ「ダメ」ですヨ\(^o^)/

そういや・・・
明日(12/18)、西口さんの本、発売ですネ(^O^)/

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どこで、買おうかしら!?(・_・;?

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